大人になる
中学生の時に
プリクラなんて嫌いだけど、君が好きだから撮ってみたいんだ
と少ないお小遣いを握って、400円分奢ってくれた男の子がいた
高校生になったらお金貯めてデート代全部出してあげるから待っててね
と付け足して
私にとっては人生で初めて、お姫様みたいな扱いをされたと思った
高校生の時にも 人並みに同じようなことがあった
その度に嬉しくて
オシャレしてピンク色のリップを塗って
私の頭の中もピンク色になる
大学に入ると世界が変わる
大学生は中高に比べてお金があるから
人はよく誘ってくるし 奢ってくれるし 自信がある
いつのまにか
いちいち心を踊らせることもなくなってしまう
これからは何にときめいていくんだろう
なんて贅沢な生き物なのかと罪悪感に苛まれる
ただ いつだって気づいてくれて 仲間でいてくれる人には
不意にときめく時がある
こんなときめきをくれる人は 多分 貴重な人なんだと思う